好きなことをつきつめる大切さ 「好き」を「お金」に変える心理学

「好き」を仕事に

 

snsの普及によって、これまで企業・組織が多くを占有していた「価値の提供」が個人レベルで手軽に行えるようになり、よく聞くようになった言葉です。

 

企業や組織、時間や場所に縛られない働き方は、幼い子供を育てる身としては憧れるものです。また、先の長い人生、老後の過ごし方を考えても、単なる趣味ではなく、人の役に立てると思える「何か」を自分の中に見つけておきたい、という焦りにも近い気持ちが正直あります。

 

ただ、単に「好きなことだけしてお金を稼ぎたい」という甘い考えを持っていると思われるんじゃないか・・・みたいな自意識過剰から、こういった題名の本を読んでいるところを見られるのは少し恥ずかしい気持ちになるのも確かです。また、「心理学」と聞くとなぜか少し胡散臭いイメージが付きまといますよね。(私は少し心理学をかじっているので、そうは思わないのですがあくまで世間一般でのイメージです)

DaiGoさんの本はとても分かりやすく、読み始めると引き込まれるので個人的に好きなのですが、題名と表紙が少し苦手です・・・^^;そういう人多いんじゃないかな。

 

さて、本題の本の中身なんですが、表題からもつイメージとは違って、地に足のついた、現実的な内容になっていると個人的に思いました。

お金との上手な付き合い方、「好き」を見つける方法、伸ばす方法、お金に変える方法を心理学知見を交えながら解説しています。

 

何となく貯めているうちに、それが自分の支えとなり、目的が貯めることにすり替わっていくとチャンスを逃すことになります。(中略)

今の自分に最も役立つお金のお金の使い方を真剣に研究するほうが将来のリターンが大きくなります。

目的が貯めることそのものにすり替わる。知らず知らずのうちにそうなるんですよね。貯金をするなら明確な目的を持つ、できているようでできていないなと反省。

漠然と、「将来子供の選択肢を狭めないように・・」と貯金をせっせとしていますが、目標金額とともに見直してみようと思いました。

その上で、最大のリターンを得られるように今の自分「好きなこと」に投資をする。ちょっとワクワクしてきませんか?私はこの本を読んで、この支出はどのようなかたちで自分に返ってくるのかを考えながらお金を使うようになりました。

 

フローとは、(中略)ある物事に取り組んでいるときに、完全にそのことにのめり込み、集中している状態のことをいいます。

そして、これは行なっていることが「本当に好きなこと」であるかどうかを見極める際の有効な判断基準であると同時に、行なっていることを「好きになる」ための重要なポイントとなっているのです。

 

「好きなことを仕事にしたいけれど、人よりずば抜けて好きなこと、得意なことなんてない。」ともやもやしている人は多いんじゃないかなと思います。私もそう。

でも、これまで一度ものめり込み、集中したことがないって人はそんなにいないんじゃないかなとおもいます。

 

「好きなこと」を見つけ、「好きなこと」をもっと好きになるポイントがこのフロー体験にあるといい、それは心理学においてきちんとした裏付けのされた概念だといいます。正直、好きなことがあることもそれが見つけられることも才能を持つ人が持つ「センス」だと思っていた私は、自分にもできるかも!とワクワクしてきました。

このフローに入る9つの条件についてこのあとに詳しく説明されています。また、逆に「好きじゃないけれどしなければならないこと」をできるだけ少なくする努力も必要といっていて、これも意外とできていないことだなと感じました。

 

あなたは今、どんな目標を掲げているでしょうか?それがあなたにとって「正しいこと」だった場合、残念ながら、その行動はフローに結びつかず、「好きなこと」に変わっていく可能性が低いと言えます。(中略)モラルライセンシング(「正しいことをしたあとは、少し悪いことをしてもいい」と考え誘惑に弱くなる性質)による誘惑に打ち勝ちたいのなら「正しいからやる」ではなく「楽しいからやる」ように考え方を変えることが大切です。

 

個人的に、このモラルライセンシングという性質はとても面白いなと思いました。

これを意識するのとしないのとではお金の使い方を始め、様々な局面での選択に影響してきそうです。

様々な方面の汚職とかにもこの心の機能が関連してそうだな・・・

人生において、正しいと思うことを追求するより、好きなことを突き詰めていったほうが、最終的には幸せなのかもしれません。

 

この他にも好きなことを使って人に貢献していくか、その輪を広げていくか、時間のやりくりなどのハウツーが書かれていました。

 

現実的な内容だなと思ったのは、ただ単に「好きなことでお金を稼ごう」と煽っているのではなく、今の自分の仕事の中から(フロー状態になれる)好きな部分を見つけてそこから伸ばしていこうと釘を指しているところです。

DaiGoさん自身は好きなことをお仕事にされていて、その体験談も交えながら説明しているのですが、まずは身の回りの好きを見つけて強みにしていこう、とたしなめてくれているあたり優しさを感じました。

 

「お金をもらっているんだから好きなことばかりできるほど仕事は甘くない」とはよく言ったものですが、仕事として世の中に貢献するためには「好きなこと」を見つけて自分への投資を最適化してくことが近道なんですね。

 

 

「好き」を「お金」に変える心理学 (PHP文庫)

「好き」を「お金」に変える心理学 (PHP文庫)